スタッフインタビュー Vol.5

Kevin Hiromoto

担当: ステージ

第五回は、日本祭りの目玉であるステージのリーダーを担当されている広本さんです。日本の音楽大学の文化祭にご招待されるほど有名なドラマーで、ボストン日本語学校の社会の先生でもあります。そしてボストンに住む日本人なら皆さん必ず利用する有名な日本スーパーマーケット「EBISUYA」さんを経営されています。広本さんの波乱万丈な人生と音楽関係者の目線から語られるステージについてお伝えできたらと思います。

「人々を笑顔にしたい」という夢を叶える場所

Q. 広本さんはなぜボストンに来られたんですか?

A. 日本で音楽家として仕事をしていた私は、より高い技術力を身に着けるためボストン近郊のレキシントンに住むAlan Dawson氏に師事することを目標とし、ボストンに来ました。しかし来るまでも来てからも大変でした。師匠に手紙を書き続けて3年、やっと返事をもらいオーディションを受ける手はずとなったのですが、レッスンは週に1時間しかないためi20がもらえず、学生ビザがもらえませんでした。それを師匠に手紙で相談したところ、「私のレッスンは週に1時間しかないが、宿題をこなすための練習に毎日10時間を費やす必要がある。そのためフルタイムの授業と同程度の内容になる。」といった内容の手紙を大使館宛に書いてくれました。それを持って大使館に行ったところ、面接官がAlanの名前を知っていて「彼のレッスンを受けられるなんて素晴らしい」と、6ヶ月滞在できるようにしてくれたのが始まりです。その後、無事オーディションをパスしレッスンが始まったのですが、6か月後には一度帰国しなければならない状況。6ヶ月の滞在期間中に妻がハーバード大学に行くことを決意し、学生ビザを取得したため、私はその家族として2年間滞在する事ができるようになりました。今でも妻には頭が上がりません(笑)そしてより長く滞在するためには永住権を取ることが必要だと考えた私は、日本人として米国に必要とされる寿司職人になることを決めました。しかし寿司職人として働く時間が長くなると、当初の目的であった音楽の勉強ができなくなるというジレンマに陥り、レストランを開業しビジネスを軌道に乗せてマネージャーを育成し、自分は音楽で人々を楽しませる時間を作ろうとしました。数年後寿司職人としてGreen cardを取得しましたが、その頃にはレストランビジネスが楽しくなっていました。手段が違っても「人々を笑顔にしたい」という私の目的は同じだったのです。そして気が付いたらレストランビジネスを始めて20年の月日が流れていました。より多くの人々を幸せにしようと思いビジネスを拡張しようとしていた時に詐欺に遭い、全財産を失い借金を背負う羽目になりました。そんな時、20年続いた日本スーパーマーケットKotobukiyaが閉店することになり、そのオーナーから新しい日本のスーパーマーケットを作ることを勧められ、「EBISUYA JAPANESE MARKET」を開業しました。

ビジネスを通して感動を提供する

Q. 現在、EBISUYAを経営する中で「人々を笑顔にする」という夢をどのように実現されているのですか?

A. ビジネスは「感動」です。「お金」ではありません。私はビジネスを通して皆さんに「感動」を提供したいと考えています。スーパーマーケットはお客様の日常生活に必要な物を取り扱っており、特に食べ物は衣食住の一つとして表されるように人間の生活に必要不可欠となっています。そのお客様の日常生活に必要な大切な要素がこのスーパーマーケットにかかっていると思うと大役だなと感じます。よくお客様から“こういうものがあったらいいんだけど…”とお願いされることがあるのですが、私はそれをお願いされる前にいち早く察知し取り寄せ、提供することを目標としています。それを見つけたときのお客様の感動した笑顔は本当にうれしいですね。また取り寄せられないものは、店内で研究を重ね、作り、販売しています。例えば、ラーメンを食べたいという卵アレルギーの方の願いを叶えるため、日本に一時帰国し、ラーメンの修行を積みました。帰国後、試行錯誤の末、独自のレシピを生み出し、卵アレルギーでも食べれる美味しいラーメン作りに成功しました。現在は肉饅、餃子作りも挑戦しています。他にも邦画のDVDレンタルや文房具など、アメリカでは手に入らない物をいち早く提供し、お客様に感動と笑顔を与えるという事を意識しています。

 

日本文化が繋ぐ仲

Q. ボストン日本祭りでは、どのような事を心がけていらっしゃいますか?

A. 実行委員やボランティアなどの企画する側と、お客さんや出演者などの参加する側どちらもが笑顔で楽しめる日本祭りにすることです。

私がボストン日本祭りに関わるようになったのは本当に偶然と言いますか、紆余曲折あるのですが、5年関わってきて思うことは、ボストン日本祭りは皆が笑顔になれる場であり、日本文化が人と人を繋ぐという素晴らしい機会だということです。EBISUYAもブースを出店していますが、私の教え子達のボランティアによって成り立っています。彼らの生き生きと働いている姿は輝かしいものです。また、日本が好き、日本文化に興味があるといった人々が、この日本祭りをきっかけに出会い、交友関係を築き、祭り終了後も発展させていく。そんな素晴らしい機会を提供できるのもこのボストン日本祭りの良い点だと思います。現在はステージリーダーをやらせて頂いていますが、企画や新しいアイデアは他の仲間が担当しているため、私はコンプライアンス問題の処理やアドバイスをするくらいしかしていません笑 しかし、ステージ出演者が気持ちよく楽しく演奏・パフォーマンスできる場を提供し、またお客さんも楽しめるステージにするためには必要不可欠な作業であり、私はその大砦なので、今までの長年の音楽関係者としての経験を活かし、責務をしっかり果たしたいと思います。当日の事故が起きないように、シュミレーションやミーティングを重ね、本番に臨むつもりです。

 

楽しくなければ意味がない!

Q. 皆さんに向けたメッセージを頂けますか?

A. みなさん、楽しんでいますか?

 

編集後記

最後の一言「楽しんでいますか?」に、全てが凝縮されているように思いました。ボストンという地で苦労されてきた広本さんだからこそわかる、「楽しむ」事の大切さをこうして学ぶことができ、大変光栄でした。日本から遠く離れた海外で生活し頑張っている皆さんが、故郷である「日本」に癒され、楽しめる、そんな機会を提供できたらと思います。そして当日、日本文化という共通点からみなさまの交友関係が広がる素敵な機会になればと思います。EBISUYAさん、そして広本さんがプロデュースするステージ、ぜひお楽しみに!

内田有美

Facebooktwittertumblrmail